2024年2月に研究協力者の池田が、パキスタン現地調査を実施しました。特定非営利活動法人の難民を助ける会(AAR Japan)が、KP州(Khyber Pakhtunkhwa)州のハリプール(Haripur)及びアボタバード(Abbottabad)で実施している、インクルーシブ教育事業のサポートを受けて、障害児の公立学校への就学の現状と課題、教員・コミュニティ・保護者の連携などについて情報を収集しました。
パキスタンにおけるAAR Japanのインクルーシブ教育事業が本格的に開始されたのは、2019年です。それ以前にも、洪水支援やWASH事業などで、公立学校のバリアフリー建設などのインフラ整備や関連分野のトレーニングの実施、障害のあるスタッフの雇用などを行ってきました。
AAR Japanの同事業の概要は以下の通りです。
【プロジェクト目標】
KP州ハリプール郡、アボタバード郡の事業対象小学校約30校において、インクルーシブ教育が推進され、障がい児らが合理的配慮を受け、学校生活に参加し、学ぶことができる環境が整う。対象校がインクルーシブ教育の好事例として認知され、周辺の他校にインクルーシブ教育の経験やノウハウを共有できるようになる。KP州教員研修施設において、インクルーシブ教育の研修ができるようになる。
【活動内容】
主な活動は以下の通りです。
1.研修・啓発
2.建設・物品供与
3.訪問相談活動の実施
4.行政機関との協力促進
以下の写真は、事業によるトレーニング、ファシリテーションを通して、障害児の親たちが、自助グループ「カールワーン(Karwaan、ウルドゥー語で「キャラバン」を意味する)」を立ち上げ、コミュニティにおいて啓発活動をする様子。障害のある子どもをもつ母親や、コミュニティレベルで活動するレディー・ヘルス・ワーカー(Lady Health Worker)も集まった。
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